バンダイナムコオンラインでそれぞれ異なるチームを率いる2名のリーダーに、
日々考えていることや大事にしていることを聞いてみました。
左から、
■南舘さん (品質保証・カスタマー部門マネージャー)
■中山さん (新規タイトル開発部門マネージャー)
—お二人は中途入社6年目の同期とのことですが、元々ゲーム業界にいらっしゃったのですか?
中山:
僕は前職ではスマホ向けゲームを作っていました。
その会社で一緒に働いていた方が先にバンダイナムコオンラインへジョインされ、その方の紹介が入社のキッカケです。
南舘:
僕は元々、熱狂的なオンラインゲーマーで・・・。
寝るのはメンテナンス中か、寝落ちしたときか、みたいな感じの生活をしていました。
そんなとき、あるゲームの攻略サイトを作っていたら、そのゲームの運営会社に呼ばれたのが業界入りのきっかけでした。
—攻略サイトって、活用する側としてはすごく便利ですけど、作っている側としてはどんな気持ちなのですか?
南舘:
便利だと思って使ってくれる人がいるから、としか言いようがないですけど…
根本的には自分が好きなゲームをもっと楽しく遊んでほしいという気持ちからです。
そうすることで一緒に遊べる仲間が増えるし、人口が増えれば面白いゲームも増える。
実は僕は、「作りたい」という意識よりは「面白いゲームが増えてほしい」というユーザー意識のほうが強くて。
オンラインゲーム業界が大きくなればいいなと思いながら今の仕事をしているので、それを阻害する要因を取り除いていきたいんです。お客様の掲示板の書き込みを見て「あぁこれは何とかしたいな」とか、部下や同僚が困っている時に「どうすれば救えるかな」とか。
お客様は勿論、同僚や上司や関係会社の方も含めてオンラインゲーム業界に関わる人たちのフラストレーションを排除していきたい。
そういう意味では、その気持ちがモチベーションの源泉なのかもしれないです。
―バンダイナムコオンラインのゲームに携わる立場として、お二人が普段大事にしていることって何ですか?
南舘:
僕はコンテンツを作る事も絵を描くこともできないですし、サービスを作る事も決して得意な訳じゃない。
経営なんてしたこともない。
でも、ゲームを遊ぶことはできます。
モニターの向こうには一人のオンラインゲーマーがいて、
16年前の私の様に「なんでこんな事もできないんだ運営は」って思っちゃう方もいて、
でもそのタイトルは既にその人の人生に多大な影響を与えていたりして。
そんな方々に楽しんでもらえるように、その一人の目線をちゃんと意識して大事にしていきたいです。
僕はゲームを自分で生み出したいと言うよりも、生み出されたものがどうしたらもっとよくなるのかを考えることが好きなんですよ。100点のゲームを150点にするみたいな。
中山:
僕と逆ですよね。僕は自分でゲームを生み出していきたい。
まっさらなものを100点まで作りあげるのが好きな人間ではあります。
ただ、既存のIPを活用したコンテンツに実際に携わってみたら、そのIPのファンをどう楽しませるかってところでクリエイティビティを発揮できる楽しさを発見できました。
南舘さんも事業家気質というか、色んな側面があるので、オリジナルのIPを作りあげる上で向いてないってこともないんじゃないかな。
南舘:
事業家気質っていうのはどうなんだろう……。
色々気づけるところはあるかもしれないけど、正直数字についてはある意味でいい加減なところもあったりするんですよ。
目標100%でいいんじゃないかって感覚ですし。
中山:
100%はマストですよね。
南舘:
そりゃ組織ですから、皆が生活するためには100%は必須です。
ただ、200%、300%という様にガツガツ狙っていくよりは、お客様が楽しめる方向にリソースを割きたいなと。
その結果として数字が上がるのは当然理想ですけど、過分な数字を優先するのはエンターテインメントとしてどうなのかなと考えたりもします。
—あくまでもベクトルはお客様に向いていて、お客様ありきで考えると?
南舘:
もちろんです。
先程も言いましたが僕はユーザー視線でいたい人間なので、お客様が楽しむものを作れないならやる意味も感じません。
中山:
僕も面白いものを作りたくてやっているので、やっぱり、面白くないとは言われたくないです。
上司と意見が分かれた場合は、お客様の声を重視することが多い。
もちろんお客様に媚びるってことではなくて、「これどうですか?面白いでしょう?」って提案を重ねていく。
ゲームって作り手や運営チームにもファンについていただいているので、
愛されなきゃいけないし、つまらないものをひとつ作ると、途端に信用を失うんです。
人間味もすごく見られますし、お客様に真摯に向き合っていないと、すぐ見抜かれてしまう。
もう、お知らせひとつでも姿勢が全部わかってしまう。
南舘:
わかっちゃいますね。
逆にお客様はその姿勢が真摯かどうかしか見ていないくらい、僕たちは見られています。
—ではバンダイナムコオンラインのメンバーとして、どんなところに向かって行きたいですか?
南舘:
バンダイナムコオンラインが掲げている「ファンの期待を超えるオンラインゲームを世界へ提供しつづける」
というミッションを一緒に達成するのが、自分にとってのゴールだと思っています。
ミッションに賛同できるから入社したし、そのミッションを達成するために何が自分にできるかを考える。
中山:
僕もそうですね。そこへどう向かって行くかというのが大事だなと思っています。
ミッションを明確にしておくことで、立ち戻れる場所を確立できますし。
自分が何をしたらいいのか悩まないでいいし、見失うこともない。
南舘:
組織である以上、全員が向いている方向が揃っている必要はあるかなと思います。
現時点だと、バンダイナムコオンラインは大半が中途採用メンバーなので、それだけ経験豊富な方が多い。
なので、それぞれのやり方や得意不得意がある。
でも優秀な方がいくら多くても、向きが不揃いでは一生ゴールしない。
苦手な分野だったとしても、向いている方向さえ合っていれば、いずれ辿り着くものだと考えています。
中山:
あとは同じゴールに向かっていても、その道筋って幾つもある訳ですけど、どういうアプローチを採るかでぶつかることがあります。
そこで大いに議論した結果が、上司のせいではなく、妥協もなく、
お客様にとってどうなのか?が突き詰められたものであるべきですよね。
そして、当然そういうことを言いやすい空気も社内に必要です。
―これからバンダイナムコオンラインが更に進化し、より多くの方々にとって価値を提供していくために、必要なことは何だと思いますか?
南舘:
逆に上手くいかない条件を考えてみると、上司と部下で流れている情報が違ったり、
義務は最小限に権利を最大限にみたいな人が多かったり、いわゆる大企業病のようなものにかかっちゃうと厳しいなと思います。
お互いに助け合うとか、人間としてシンプルに快い関係を大切にできるかどうかが肝じゃないかな。
そういうのって、お客様に対しても表れてしまうから…。
—快い関係というのはどういったことでしょう?
南舘:
例えば…小さくて当たり前のことですけど、
全社の集会等にも時間に遅れず出よう、といった様なことから始まっているんじゃないかと。
別に優等生になれって言ってるんじゃないんです。
全社集会をやるためには当然、誰かが時間をかけていろんな調整をしている。
同じ会社の仲間が、自分たちのためにやっているのだから報いてあげようよって、すごくシンプルな話です。
—シンプルですけど、根っこの部分ですね。中山さんはどうお考えですか?
中山:
さっき、作り手や運営チームがお客様に愛されることって言いましたけど、お客様からしたら部署は関係なくバンダイナムコオンラインをひとくくりとして見ているので、私たち全体がお客様から信頼を得ようとする姿勢を持つことですね。
「バンダイナムコオンラインのゲームが出たらとりあえずやるか」っていうファンを増やしたい。
その前にもっと、バンダイナムコオンラインというキャラクターを強固に作り上げていく必要性を感じています。
―キャラクターということは個性ということですか?
中山:
そうですね、その中の人もプロダクトも。
個人的には、そのひとつとして、色んな人からどんどん企画が出てくるのが理想だと思っています。
その中から「これがバンダイナムコオンラインだ」っていうタイトルが生まれるから。
例えボツになっても、数を出していけば企画者の質も上がるし、会社の企画を見る目も格段に養われていくはずです。
南舘:
骨格というか個性を決定づけるようなタイトルが増えてくると、
同時に「あそこでならこういうのも作れる!」っていう人が仲間に入ってきてくれて、
加速度的にバンダイナムコオンラインとしてのキャラクターの肉付きがよくなっていくはずですよね。
中山:
そうなんです。だから今、いろんな企画が必要なんです。
たとえ却下されても心折れずジャンジャン出して行かないと。皆でグラマーなキャラクターにしていきたい!
―お二人とも、ありがとうございました!