今年10月に10周年を迎えたバンダイナムコオンライン。
2009年10月にバンダイナムコゲームス(現バンダイナムコエンターテインメント)から分社し設立されてから10年間、
オンラインゲームの開発から運営までを一貫して行うバンダイナムコグループでもユニークな体制を取り、
PCオンラインゲームやスマホゲーム、バンダイナムコオンライン独自の新たなIP展開と、サービスを開発・運営してきました。
新しいステージへと踏み出す今、これまでを振り返りつつ、現在そしてこれからのことを、
創業当時を知る3名である社長の関口 昌隆、吉田 大史、丸山 和也の3名に聞いてみました。

※写真右から、
関口 昌隆:バンダイナムコオンラインの代表取締役社長。ゲームを愛し、プレイヤーとしての腕も立つ。
丸山 和也:『機動戦士ガンダムオンライン』をプロデュース。現在は、ゼネラルマネージャーとして複数のガンダムタイトルを統括。
吉田 大史:チーフテクノロジーオフィサーとして、バンダイナムコオンラインが開発・運営するサービスの技術領域全般を支える。

1. 最初はとにかく大変だった

―みなさんはバンダイナムコオンライン創業期からのメンバーですが、当時はどんな会社だったのでしょうか?

関口
設立当初は「PCオンラインゲームを開発・運営する」という極々シンプルなテーマの下にグループ内からメンバーが集まった組織だったので、一体感は今よりも薄かったですね。
社内の空気も混沌としていたと記憶しています。

丸山
グループ内外からいろんな出自の人がコンパクトに集まってできた会社でした。
たしかに文化が違う人たちの集まりでしたが、
「バンダイナムコグループでPCオンラインゲーム事業に取り組めば大きな市場を作れるはず、もっと多くのお客様に喜んでもらえるはず」という考えは同じだった気がします。

吉田
私はと言うと…当社設立の半年後にジョインしましたね。
ただやはり社内人材に富む状況ではなかったので、社外のパートナーを始めとした方々の協力なしにはサービスを始めることも容易ではなかった。

関口
そうですね。当初はなかなか上手くいかないことが多くて、進めていたプロジェクトが壁にぶち当たることも少なくなかった。
会社として大きな路線修正が必要と判断し、全体的に開発体制を再構築するなど色々と試行錯誤を重ねたんです。
その後、今ではバンダイナムコオンラインの代表的なタイトルとなっている『機動戦士ガンダムオンライン』や『SDガンダムオペレーションズ』などが次々に実を結び、そこから少しずつ体制が整っていきました。

2. こんなところを目指したいなっていう話

―その基盤を得たバンダイナムコオンラインは現在までにどう進化してきましたか?

関口
それまで社内でバラバラに動いていたメンバーを統合した体制で成功できたことで、組織としての一体感が強くなり始めました。
同時に当社のミッション、つまり「社会においてこうありたい!」という姿もより強く鮮明に形になってきましたね。

吉田
ここ数年は、特にそれを体感してます。
・世界中の人に「面白い!」と評価され、ファンの期待を超えていく様なオンラインゲームを提供し続けること。
・面白さを重視したゲームシステムを軸に、キャラクター性の強いオンラインゲームを世界規模で展開すること。
など、やりたいこともより明確になりつつあるなと。

―当初の混沌とした状況から脱却し、企業として目指す姿がより強固になって行ったのですね。 
事業的には変化がありましたか?

関口
基盤ができて余裕ができたことで、バンダイナムコオンラインのオリジナルタイトル『アイドリッシュセブン』へのチャレンジもスタートして、東アジア地域を始めとする海外展開へと攻めに転じることができました。
創業からしばらく経ってからではありますが、本当のスタートができました。
オンラインゲーム会社として必要な体制が内部に構築され始め、それが今後のバンダイナムコオンラインに重要なポイントになるなと思ったんです。
つまり、私たちだからこそできることというのが見えた。
ただ私たちが目指しているところからすると今でもまだまだだと思っています。
次なるフラグシップタイトルを生み出し、お客様に支持される会社を目指したい。
自分たちの生み出すオリジナルIPも含めて、勝負できるんだと証明したいです。

―BNOの目指すところについて、吉田さんと丸山さんはどう考えますか?

吉田
少し精神的な話になってしまうかもしれないんですが、ずっと昔から、仕事をするうえで求めているものがあって…。
私達が心血を注いだサービスを、お客様に色々ご意見頂きつつ、遊んでもらう充実感を味わいたい!そんな想いです。
そのサービスが上手くいくにせよいかないにせよ、最大限「私達のせいだ」と思いたいんですよ。
なので、バンダイナムコオンラインがやるサービスも、「私達が心血を注いだ」サービスであって欲しいと考えます。
そうでないサービスにあまりエネルギーを割きたくないんです。
サービスを改善すること、そして「私達のせいだ」と思えなくなる要因を取り除くこと。
そこにエネルギーを全力で注いでいきたい。

―それは「自分のおかげ」なら誇りを、「自分のせい」なら反省を得られるからでしょうか?

吉田
「反省」というのはまさにその通りで、反省ができる、課題が見えるというだけで、次に何をしたらいいのかが分かるのでいくらでも改善ができると。
だからできるだけ自分達の力の及ばない箇所を作らないように、サービスをコントロールすべきだと思っています。
あと、「誇り」というのもありますが、仕事のことですから「信頼」が得られることに重きを置いています。
これは、会社のメンバー同士というのはもちろん、なんといってもお客様からの信頼です。
私たちが面白いゲームを生み出すことで、ファンの方々の期待を超えて行き、その結果私たちを信頼していただける。
これはバンダイナムコオンラインのミッションになっていますが、これからもっともっと血肉にしていけるはずだと思っています。

丸山
ファンの皆様の期待を超える為、何を生み出し提供していくのか。
それは、我々自身が培った開発力や運営力によって、ガンダムなどの人気IPを活用した事業展開は勿論のこと、
バンダイナムコオンラインオリジナルのIPを生み出し、自分たちの手で育てることもバンダイナムコオンラインの目指すべき姿ではないでしょうか。
今、ゲーム開発規模が大きくなる傾向にあって、プロジェクト人数も予算も増えているので、チーム全体で変化に対応する柔軟さが強く求められていると思います。
よりコンパクトな集団のほうが柔軟性に強みがあるから、今のバンダイナムコオンラインは充分その優位性があるし、だからこそ私たちにしかできないようなことをやりたい。

3. 情熱って一体どこから?

―みなさんの個人的な話になってしまいますが、
それぞれそういった目標をもって情熱を注いでいられるエネルギー源って一体何でしょうか?

関口
私の場合それははっきりしていて、昔の原体験によるものです。
私たち三人は幼少の頃からゲーム業界の成長とともに生きてきた世代なので…。
自然とゲームに興味を持つし影響もかなり受けました。
特に小・中学生ぐらいは、友達と家でファミコンをしたりゲームセンターで遊んだり。
ゲームを通して友人とのコミュニケーションが生まれて、それが更に楽しくて面白くて。
人と人とが絡むことに面白さの源泉があるオンラインゲームに、自分自身特にこだわりがあります。
面白さやポジティブな感覚をたくさん味わわせてもらったゲームには、何かしら恩返しがしたい位の気持ちがあります。

吉田
自分もやってるうちに、作りたくなったんですよ。要は好奇心です。
私は「Worlds Chat」や、小説の「SNOW CRASH」なんかから未来を感じて、「Ultima Online」の登場に「これだ!」と自分の道を決めるほどの影響を受けました。

―自分自身、ゲームが好きだからこそ、エネルギーを存分に振るえるということですね。

関口
それは間違いなくそうでしょう。この業界はゲームが好きで入る人が多くて、バンダイナムコオンラインも同様です。
我々と同じように、なんらかのゲームに魅了されて、今度は自分がゲームを作りたくて、魅了する側の仕事を選ぶ人は沢山います。

吉田
まさしくそうですね。本当に最初の頃は単純に自分の作りたいものを作ろう
というモチベーションでしたが、実際にリリースしてファンになって頂ける方々が出来ると、世界が変わります。

―世界が変わるとはどのように?

吉田
それまで概念で理解していた「ファン」という存在が「本当に存在したんだな」と、ある種の衝撃を受けました。
この体験は、今まである意味「自分のため」にゲームを作っていた私に「ファンに喜んでもらうため」という、より大きな意味合いをもたらしてくれました。

関口
それをわかりやすく言うと、とにかく純粋に嬉しかったってことですよね。
自分が作ったものをはじめて褒められたら、子供でも大人でも嬉しいじゃないですか。
もうそうなったら、「もっと喜ばせてやる!」って、ちょっとその領域にいないと理解できないようなモチベーションになります。
ファンの皆様は、良いものを作れば良いフィードバックを、いまいちなものを作ればダメ出しをしていただけるので。
時には我々よりも鋭い意見を頂けることもあって、それがゲームをより面白くするためのアイデアになったり、次のタイトルのヒントになったりします。

丸山
そもそも根底には「そのプロジェクト自体がどうしたいのか?」という想いがあります。
それがあるからこそ、お客様が何を考えているかを知ることが大事だと思います。

関口
フィードバックを頂けるのは、我々への期待の表れでもあると感じています。
その期待に応えること、期待を超えていくことで、ファンの皆様から信頼してもらえるブランドになっていく。
あるタイトルを好きなファンの方が、「バンダイナムコオンラインのタイトルだから」と手にとってくれるようになる。
高いハードルかもしれませんが、私たちのミッションとして心に刻んでいきたいことです。

―アツいですね!ありがとうございました!