ゲームの企画やデザイン、実装などを担う開発部門とは異なる立場から、バンダイナムコオンラインのゲームづくりを担っている品質保証部。
デバッグやゲーム表現の審査、問い合わせ対応等の品質管理を幅広く担当する品質保証部ですが、この度、HDI-Japanの2022 年格付けベンチマーク「問合せ窓口格付け」部門において、最高評価である「三ツ星」を獲得しました。

今回は、品質保証部・顧客対応チームの石関に、「前向きにゲームを楽しみたくなる顧客対応」と好評価を受け三ツ星を獲得するに至った背景や、大事にしている考え方について語ってもらいます!

▲品質保証部の石関(左)と大熊(右)

−まずは石関さんが現在の業務に就くまでのキャリアを簡単に教えてください。

新卒で大学職員として経理を担当していました。
幼少期から父の影響でゲームが大好きで、家庭用ゲーム機は一通り揃っているような環境で育ったこともあり、次第に「人生の多くの時間を仕事に費やするなら好きなことを仕事にしたい」という思いが強くなり、転職を決意。
バンダイナムコオンラインへの入社が決まったときは父もすごく喜んでいました(笑)。
入社後は、派遣社員としてカスタマーサポート業務に2年ほど携わり 、その後正社員として品質保証部に参加することになりました。
品質保証部に来てから5年目になりますが、当時は未経験の領域だったので、社内でもかなり異色のキャリアだと思います。

−品質保証部ではどんなお仕事をされているんですか?

顧客対応チームに所属しており、『アイドリッシュセブン』や『GUNDAM EVOLUTION』、『BLUE PROTOCOL』など複数タイトルの顧客対応全般を管理しています。
具体的には、問合わせ窓口を担っていただいているパートナー会社様とコミュニケーションをとりながら、お客様からのご意見を集約し、開発チームにお客様の声を届け、一緒になってゲームをより良くしていく業務がメインです。
また、数年前から問い合わせを頂いたお客様へアンケートにご協力いただく取り組みを始めました。
そこで集まったご意見やご要望を元に、対応について考え議論する場を週に一度設けています。
こういった機会が増えることで、お客様がどういったところに不満を感じられているのか、どれくらいのお客さまが同じように思っているのか、といった事を具体的に把握できるようになりました。
開発チームと連携する際も優先度や緊急性を共有しやすくなったと感じています。
 
それ以外にも、バンダイナムコグループ内で月に一回開催される情報交換会に参加することで、事例や取り組みを共有し合いながら、お客さまにとってよりよい顧客対応ができるよう磨きをかけています。

−顧客対応業務において大切にしていることはありますか?

「自分自身がそのゲームのユーザーならどう思うか」、常にお客様目線で考えることです。
「どんなゲームをつくりたいか」というつくり手の考えも勿論大切ですが、開発側とはまた違う目線で「いいゲームをつくるためにできること」を意識するようにしています。

 −「お客様第一」・「クオリティ第一」・「ゲームプレイ第一」を行動指針に掲げるバンダイナムコオンラインらしいですね。

昨年度は、アイドリッシュセブンの公式サイト内FAQページに、データ復旧窓口としてChat bot(テキストや音声を通じて会話を自動的に行うプログラム)の導入も行いました。
それまで、頂いた問い合わせに対しては全てメールでの対応を行っていましたが、お客様第一の視点において、なるべくやりとりの手間やストレスを掛けずにプレイを楽しんでいただくことが重要と捉え、アイドリッシュセブンで特にお問い合わせの多かった「データ復旧」をchat botで受付・対応出来ないかと考えたことがきっかけです。
「データ復旧」は、メールの場合、結果的に複数回のやりとりが必要になるなど手間が掛かってしまうことが要因となり、途中で諦め離脱される方も多いことが課題でした。
そこにchat botを導入したことで、1度のチャットでやりとりが可能となり、最終的に復旧率を52.8%から80.9%まで改善することが出来ました。
お客様からポジティブなお声も頂けて、嬉しく思っています。

−そういった日々の業務が実を結び、2022年のHDI-Japan格付けベンチマーク「問合せ窓口格付け」部門で、最高評価である三ツ星を獲得されましたね。

グループ内での情報共有会をきっかけにこの格付け制度の存在を知り、バンダイナムコオンラインとしてもぜひ獲得したいと考えたことがきっかけでした。
HDI-Japanが開催しているセミナーに何度か参加して他社の事例を学んだり、問合わせ窓口のパートナー会社様とも協力して新たな取り組みを始めたりするなど、顧客対応をブラッシュアップしていきました。
お客様アンケートで集まったご意見について週に一度議論する場を設けたのも、そのひとつです。
HDI-Japanでは、審査員の方が実際にゲームをした上で、1ユーザーとして問合わせを行い、それに対する対応を評価するという方法をとっており、評価対象となる問合わせがいつ来るのかは分かりません。
その場しのぎの取り組みではすぐにボロが出てしまう。
そういった評価方法も非常に魅力的な制度だと思いました。
 
三ツ星獲得を達成した際には、「前向きにゲームを楽しみたくなる顧客対応」という評価をいただくことができ、とても嬉しかったです。
実は問合わせ窓口の担当者を採用する際も、「その方が本当にそのゲームが好きか」を重視していたので、その熱量がお客様にも伝わっているんだと実感できました。
三ツ星獲得をパートナー会社様に報告したときは、一緒に泣いて喜んでくださって。
同じ気持ちでお客様に向き合えていたんだなと、私自身も報われた気持ちになりました。

−三ツ星獲得によって変化したことはありますか?

これまで以上に、顧客対応業務の大切さが社内に浸透し始めていると思います。
こちらから声をかける前に、各プロジェクトから「今回のイベントの評判どう?」と声をかけられることも増えました。
社内の意識向上という意味でも、三ツ星獲得に取り組んでよかったなと感じます。

−最後に、今後の目標を教えてください。

直近では、タイトルごとにオンラインフォーラムのようなものを導入して、問合わせをしなくても疑問を解決できるような仕組みを作れないか検討しています。
また、三ツ星も1年だけで終わらず毎年獲得し続けられるよう、顧客対応の品質を向上し続けたいです。

−本日はありがとうございました!

私の『大好き』

ゲームはもちろん大好きですが、同じくらい漫画が好きです。
動きや音がないからこそ、アニメや映画では味わえない没入感が漫画ならではだと思います。
見事な伏線回収があるようなストーリーが好物で、「このセリフがここにつながるのか!」と、何回読んでも新たな発見がある漫画には本当にハマってしまいます!