初の劇場ライブ公開やアイドル16人によるライブツアーと、8周年を迎え大きな盛り上がりを見せている『アイドリッシュセブン』、また6月にリリースをした『BLUE PROTOCOL』など、バンダイナムコオンラインでは、自社IPの創出と展開に本気で取り組んでいます。
今回は、ライセンスアウト・自社商品企画という領域で、バンダイナムコオンラインオリジナルIPの多彩な展開にチャレンジする 、ライセンスチームの兼平と後藤に話を伺いました!
−まずはお二人のご経歴を教えてください。
兼平:
1999年にバンダイ(当時)に入社し、知的財産部門へ配属されました。
その後、コンテンツ配信事業である「バンダイチャンネル」を設立するタイミングで異動し、ライセンシー(IPを借りる側)として、営業などを経験しました。
そんな中で、自分たちでIPを持ちライセンスアウトする仕事にも興味を持ち、サンライズ(現 バンダイナムコフィルムワークス)に出向し、IPの版権管理業務を経験しました。
そして、バンダイナムコオンライン設立に際して、当時の社長に誘っていただき入社することになりました。
学生時代からオンラインゲームが大好きだったので、バンダイナムコオンライン初期メンバーとしてジョインしたときはとてもワクワクしたのを覚えています。
後藤:
私はエンタメ業界に携わりたいという思いから、新卒でADとしてテレビ局で働いていました。
その後、よりお客様に近い立場でエンターテインメントをつくる仕事がしたいと考えて舞台制作会社に転職し、ライセンシーの立場で舞台やイベント制作を経験しました。
そこで商品企画に携わり、大きなやりがいを感じました。
私自身、グッズを収集するのが好きで、商品を考えることが楽しかったんです。
そして、兼平さんと同じようにIPを作る側に興味を持ち、リリース当時から大好きな『アイドリッシュセブン』を展開しているバンダイナムコオンラインへの転職を決めました。
自分が大好きなものを仕事にすることに、やりがいを感じています。
兼平:
僕たちのチームはライセンシーで働いていたメンバーがほとんどだよね。
やっぱりみんな、借りる側から創る側にどんどん興味が湧いてくるのかな(笑)。
−ちなみに、後藤さんは今年度の入社ですが、兼平さんから見て採用の決め手は何だったのでしょうか?
兼平:
後藤さんには商品企画担当として入社してもらったのですが、この仕事で大切なのは、お客様と同じ目線で商品を考えられること、もっと言えば「自分が一番のファンだ」と言えるくらい作品への愛があって、その情熱をビジネスに活かすことができることが大事だと考えていて、後藤さんにはスキルや経験に加え、そういった熱量があると感じたことです。
後藤:
アイドリッシュセブンのアプリ配信後初の広告を新宿駅まで見に行きました!
「自分が一番のファン」というのはプレッシャーもありますが、やはり自分自身がその作品を大好きだからこそ妥協はできない、ファンの期待を絶対に裏切っちゃいけないんだという気持ちで全力を注いでいます。
−では、ライセンスチームの役割についても聞かせていただけますか?
兼平:
一言で表すと、グッズや音楽、ライブなど、バンダイナムコオンラインのオリジナルIPの二次利用や広がりを担う部署です。
アイナナがマルチメディア展開をしていく上で発足したチームでしたが、現在は『BLUE PROTOCOL』も少しずつ扱い始めています。
僕は、ライセンスチームにはゲームの運営とはまた違う役割を求められていると思っていて。
オンラインゲームを作る会社として、お客さまに「24時間ウチのゲームを遊んでください」とは言えませんよね。
でも、例えばアイナナの布団で寝て、アイナナの目覚まし時計で起きて、アイナナのカバンを持って家を出て……というように、ゲームをプレイする時間以外でも、コンテンツを楽しんでいただくことはできます。
そこを担っているのが私たちライセンスチームです。
大好きなものに囲まれた生活は楽しいし、日々が豊かになる。
そんな幸せな毎日を作っていく、というと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、根底にあるのはそんな想いです。
−そんな中で、お二人はどういった業務に携わっているんでしょうか?
兼平:
僕はチームのマネジメントがメインですが、製作委員会が立ち上がるような大きなプロジェクトでは、契約や条件面の交渉なども行います。
ライセンスチームの業務は大きく「ライセンスアウト」と「自社商品開発」に分かれていて、ライセンスアウトの場合は営業、契約、監修などが主業務です。
自社商品開発では企画、製造、売上管理、販売会社とのやりとり、製造物流管理、不良品対応などを担っています。
IPを運営している部署とは、膝を突き合わせて密にコミュニケーションをとりながら業務にあたっています。
後藤:
私は自社商品開発の方を担当していて、兼平さんがお話した内容に加え、商品撮影やSNS告知文の作成など、ファンの皆さんに向けて発信する細かなところまで行っています。
商品を作る上で何よりも大切にしているのは、ファンの方々に楽しんでもらえて、より作品を好きになってもらえるものをお届けすることです。
自分もそうですが、作品への愛があるからこそ、商品への目線はすごくシビアになりますし、手を抜いたり妥協したりしていると、必ずバレてしまうものだと思っています。
ファンの方々がガッカリするようなものは絶対に作れません。
兼平:
後藤さんの言う「ファン目線」と同時に、「作り手目線」もとても大切です。
僕たちは、社内外のクリエイターの方々が心血を注いで作ったコンテンツやキャラクターを預かって仕事をしている身です。
色々な人に届けたいけど、決して安売りはできない。
僕たちが守るべきものは何か。それは絶対に間違えないようにしています。
たとえ大きな取引で売上に繋がるような案件だったとしても、作品を正しく理解していただけない場合や、その作品らしくなかったり、ファンの方々に喜んでいただけないような内容であれば、お断りしなければいけないケースもあります。
−5月に幕張メッセで開催したアイドリッシュセブンの史上最大規模のイベント、『アイナナEXPO』についても伺えますか?
後藤:
バンダイナムコオンラインに入社して初めての大きな仕事でした。
実は入社した2か月後にアイナナEXPOが迫っていて、右も左もわからないうちにイベントチームに参加することになり、当時はどうなることかと思いました(笑)。
私はアイナナEXPOで、初めてライセンスアウト側で監修の仕事を経験したのですが、細かいところを見ていく難しさがありました。
フード周りを担当させていただいていたので、メニューを決めるにあたっては何度も調整を重ねましたし、展示内容やMV再現ブース、プロジェクションマッピングの映像の確認など様々な監修をしながら、「監修する側はこんなに細かく見ているのか」と、思っていた以上の大変さを感じました。
そして、このEXPOを通じ、監修する立場としてそういった細かいところを大事にすることが大切なのだということを心に刻みました。
振り返ってみれば学びの連続で、最高の勉強の機会をいただいたと思っています。
兼平:
後藤さんを始め、メンバー全員が何ヶ月も準備を重ねて来て、最後に会場が完成した瞬間の感動は何物にも変え難いものがありました。
後藤:
そこへ実際にたくさんのファンの方々が足を運んでくださって、その笑顔を見たときは、涙がこみ上げました。
兼平:
最後、撤収するときに、「もう終わっちゃうね」と呟いたメンバーの言葉に寂寥感を感じました。
何ヶ月もかけつくり上げたものが、3日間で終わってしまう、あの祭りのあとのような感覚は一生忘れないと思います。
大人になってからここまで感情が動くことって無いんじゃないか、ましてや仕事の中でそれが起きるのは、幸せなことだなと思いました。
後藤:
もちろん、至らないところや反省すべき点もありました。
そういった学びを、次に活かしたいです。
−最後に、ライセンスチームとして今後の展望を教えてください。
兼平:
バンダイナムコオンラインのIPとお客様の接点を増やしていくことです。
その上で、世界へ広げていきたいという思いは強く持っています。
アイナナはまだまだ国内市場と台湾など一部のアジア圏が中心ですが、アメリカのイベントでコスプレしてくださっている方なんかもいて。
そういう光景を見ると「こんな地球の裏側でもアイナナが愛されてるんだ!」って胸が熱くなります。
そしてもちろん、ブルプロも世界を見据えているので、こちらもどんどん広げていきたいです。
後藤:
幼少期に海外で過ごし、現地での日本のコンテンツ人気を感じていた私には、世界に向けて自分が手掛けたコンテンツや商品を発信していきたいという想いがあります。
海外展開のチャレンジは、私がバンダイナムコオンラインに入社を決めた理由の一つでもあります。
自身の語学力や経験を発揮して、IPを発信していける人材になりたいです。
−本日はありがとうございました!
私の『大好き』 ~兼平~
社内に熱量の高いサッカーファンが多く、私も勧められてスタジアムに観戦に行ったら、まんまと沼にハマりました(笑)
川崎市に40年近く住んでいて、ハマるまでは川﨑フロンターレの存在すら「なんとなく知ってるかな」くらいの興味だったので、そう考えるとすごい変化です。
あとは、「BLUE PROTOCOL」です。
お盆の間は寝る間も惜しんでずっとプレイしてました。課金もしてます(笑)
私の『大好き』 ~後藤~
アイナナへの愛はもちろんですが、同じくらいディズニーが好きです。
海外のパークにも足を運ぶのですが、フロリダの「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」はとにかくもう最高で、1週間あっても足りないくらいでした。
ディズニーの常に新しいエンタメを追求し夢を与えてくれる姿は、自分の仕事にも通じるところがあり、いつもアイディアや刺激をもらっています。